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こんにちは、風の子クリニックです⭐︎
今日のテーマは「子どもの便秘」です!
風の子クリニックでも、子どもの便秘に関するご相談をよくいただきます。
子どもの便秘は珍しいことではなく、現代では子どものおおよそ10%は便秘であるとも言われています。
しかし、子どもの便秘はよくあることだからと、放っておくとお腹が痛くなったり、機嫌が悪くなったりといった症状も出てきます。
この記事では「なぜ便秘になるのか」「家庭でできる解消法」「病院へ行く目安」まで、わかりやすく解説します。
子どもの便秘は何日出ないと便秘?|便秘の定義とチェックリスト
子どもの場合、便秘の判断は風邪などと比べると症状がわかりにくく、判断に困る場合も多いです。
一般的にはうんちが出るのが、週に3回未満になったり、5日以上出ていないとなると便秘であると判断することが多いです。
しかし、子どものうんちの周期には個人差があり、2、3日に1回しか出なくても平気な子もいます。
うんちの出る回数が減っていても、楽にうんちが出ているようであれば、問題ないことが多いです。
子どもの便秘の主なサインには、以下のようなものがあります。
・お腹が張っている
・食欲がない、すぐ満腹になる
・機嫌が悪い
・うんちの時に痛がったり激しく泣いたりする
・少量のうんちが頻回出る
・便意を感じた時に足をクロスさせて我慢する
どうして子どもは便秘になるの?|よくある原因
子どもの便秘の原因として考えられる主な原因には、以下のようなものがあります。
1. 食生活
2. 運動不足
3. 排便の習慣ができていない・我慢癖がついている
4. 環境の変化・ストレス
5.赤ちゃんの便秘には特別な原因も
1. 食生活
現代の日本の食生活は昔と比べて、欧米化が進んでいます。肉食や加工食品が増加し、豆類や野菜類などの食物繊維を十分に摂らないことが便秘の一因になることがあります。
また、乳幼児期の離乳食が始まる頃の子どもにもよく見られる便秘。これもミルクだけだった赤ちゃんが、食べるものの形態が変わることでうんちが硬くなり便秘になりやすくなります。
2. 運動不足
子どもの便秘の要因として考えられていることの一つに、運動不足があります。
時代と共に、生活が変化し、塾通いをする子どもが増えたり、TVゲームを好む子どもが増えたりといったことから、運動不足の子どもが増えています。また、新型コロナの影響で外遊びの機会が減ったことも子どもの便秘の一因ではないかと考えられています。
3. 排便の習慣ができていない・我慢癖がついている
おむつからパンツに変わるタイミングで、おむつではできていたけど、トイレではうんちができず、便秘になってしまう子どももいます。
無理なトイレトレーニングは便秘の原因や悪化につながることがあります。トイレでうんちをすることが嫌になったり、失敗した時に怒られたりすると、叱られないようにうんちを我慢する癖がついてしまいます。
また、学童期の子どもの便秘の原因として多いのが、「うんちを我慢する癖」がついてしまうことです。
学校が始まったことで、朝起きてから通学までの時間に、トイレの時間を取ることができず、うんちを我慢してしまう子どもが多いのです。
こういった生活スタイルの変化に伴って、排便の習慣がつきにくい時期にも慢性的な便秘症が始まりやすいと言われています。
4. 環境の変化・ストレス
子どもは、ちょっとしたストレスが原因でうんちがでなくなったりします。
たとえば、怒られることが続く、トイレトレーニングが嫌い、などストレス状態が続くと、自律神経に影響を与え、腸がうまく働くなることがあります。
5.赤ちゃんの便秘には特別な原因も
赤ちゃんの場合、便秘の判断は専門家でも難しい場合があります。1歳未満の赤ちゃんは排便周期も個人差が大きいからです。
また、赤ちゃんの便秘の原因は食生活や環境ではなく、生まれつき腸や肛門、あるいは全身の病気があってうんちが出ないということも稀にあります。
下記のような、気になる症状がある場合は専門家の検査を受けることをおすすめします。
・胎便(生まれて初めての便)が生後24時間以内に出なかった
・成長障害(身長の伸びが悪い)
・繰り返す嘔吐
・血便
・下痢
・お腹が張っていたり、触れると便以外の塊を触れる気がする
家庭でできる!子どもの便秘対策・改善方法
子どもの便秘には日頃から生活習慣を見直して予防することが大切です。
また、子どもは便秘が続いてしまうと、腸が伸びてしまって便意を感じにくくなり、ますます便秘がちになってしいます。そうなる前に便秘が続く時は早めの対策も必要となります。
子どもの便秘対策・改善に大切なことは以下の4つです。
1. 食生活の見直し
2. 水分をこまめに摂る
3. 排便習慣のサポート(トイレトレーニング含む)
1. 食生活の見直し
子どもの便秘対策・解消にはもちろん、食物繊維の多い食材を食べることも大事ですが、「いろいろな食材をバランスよく食べる」ということが大切です。
食物繊維は、腸で吸収されることなく、水分を含んでうんちを作り、硬くなるのを防ぐ効果が期待できます。また、腸内で発酵して、腸に刺激を与えるとも言われているので、便秘予防にも積極的に取りたいところです。
食物繊維は、主に野菜類、海藻類、果物、芋類、豆類に多く含まれます。
また、スナック菓子や菓子パンなどやわらかく、いろいろな栄養素が含まれていないものを食べすぎると、栄養バランスが偏ってしまい、便秘になりやすくなりますので注意しましょう。
赤ちゃんの便秘対策
授乳中の赤ちゃんの便秘では、哺乳不足も便秘の原因になることがあります。特に、母乳だと飲めた量がわかりにくいので、十分な量を哺乳できているか注意が必要です。おっぱいの張りがいまいち、赤ちゃんがなかなか乳首を離さない、授乳後間隔をあまりあけずにおっぱいを欲しがって泣く、など当てはまっている場合、哺乳不足があるかもしれません。
哺乳量を知るには体重をこまめに測るとわかりやすいですが、自宅に体重計がない場合、なかなかこまめに計測することは難しいです。
1,2週間ごとに体重の増減を確認するだけでも、哺乳量が足りているのか知るには十分ですので、ショッピングセンターの授乳室や、栄養相談などで計測してみるとよいでしょう。s
2. 水分をこまめに摂る
水分不足も、子どもの便秘の原因の1つとして挙げられます。運動時や夜間の睡眠時など、発汗して出ていってしまった水分は、こまめな水分補給で補ってあげましょう。
3. 排便習慣のサポート
子どもの便秘改善には「うんちを腸に溜めない」ということが大切です。
トイレトレーニング中に、子どもが便秘気味だなと思った時は、まずは便秘の改善を優先し、規則的な排便習慣がついてからトイレトレーニングをしましょう。
また、トイレトレーニングが完了している子どもも、便意を感じたら、すぐにトイレに連れていくことや、毎日なるべく規則正しい時間にゆとりをもって排便できる時間を設けるようにしましょう。
子どもの便秘|病院を受診すべきサイン
「子どもの便秘が続いて心配」
子どもの便秘で病院の受診をお勧めする時は、以下のような場合です。
1.4日以上出ない
2.食欲がなく、ぐったりしている
3.便に血が混じっている
4.お腹が痛くて泣く
5.便秘が繰り返されている
1.4日以上出ない
通常、子どもは少なくとも週に3回ほど排便があった方がよいとされています。赤ちゃんでも、4日以上便秘が続くと、お腹が張ってきたり、ぐずったりする子が多いです。
日頃から排便状況をチェックし、4、5日以上便秘が続いているようであれば、医療機関を受診し相談した方が良いでしょう。
2.食欲がなく、ぐったりしている
子どもの長期的な便秘は、お腹の張りやそれに伴う食欲不振につながることがあります。
ご飯を食べる量や哺乳量が減ったり、お腹が苦しそうにしている場合は受診をおすすめします。
3.便に血が混じっている
便秘が続いて便が硬くなると、うんちを出す時に肛門が切れてうんちに血が混じってしまうことがあります。その場合、うんちをする時に痛みを伴い、うんちをすることが嫌になって、うんちを我慢してしまい、便秘の悪化につながるおそれもあります。
便に血が混じっている時は、受診して医師に相談することをおすすめします。
4.お腹が痛くて泣く
子どもの便秘が続いて、お腹が痛くて泣くようであれば、治療が必要となっている場合が多いです。
お腹が痛くて泣くようであれば、早めの受診をおすすめします。
5.便秘が繰り返されている
通常、周期的にうんちが出ている子どもが、一時的に便秘になった状態を「一過性便秘」と言います。しかし、便秘が続いたり、便秘を繰り返すことが1、2ヶ月続くと「慢性便秘症」となり、きちんとした治療が必要となります。
慢性便秘症と診断された子どもにとっては、便秘の原因を知ることも重要になってきます。上記「赤ちゃんの便秘には特別な原因も」に当てはまる症状が見られる場合は、医師に報告しましょう。
まとめ|子どもの便秘は早めの対処がカギ!日々の習慣が便秘の予防につながる
今回は、最近風の子クリニックでもご相談の多い「子どもの便秘」について解説をしていきました。
子どもの便秘はよくあることで、一過性の便秘であれば、緊急を要するものではありませんが、便秘が続くと痛みを伴ってきたり、食欲不振に繋がったりします。
「便秘かもしれない」と思ったら、放置をせずコツコツと改善していくことが大切です。
まずは、ご家庭でも食生活や水分量の見直しをしたり、排便習慣を記録したりすることから始めましょう。
また、子どもの便秘や排便習慣、うんちの状態など、気になることがありましたら、お気軽に風の子クリニックまでご相談ください。
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